ぷらっとほーむの日記 ぷらほブログ

山形市・若者の居場所と学びの場づくりのNPO団体です

 読むべき本のさがしかた

taki-plathome2008-07-27


■25日(金)の18時30分より、山形市の江南公民館にて、第2回目の「金曜ゼミ」を開催しました。参加者は、20〜30代の7名(男5/女2)。8月からいよいよ本格始動する「金曜ゼミ」ですが、本格始動(=各自が自分のテーマを設定し、そのテーマに即した作品や文献を探し集め、それを読んで、ゼミ発表を行い、それをネタに参加者でディスカッションを行う)の前に、テーマに関連した文献や作品の探しかたについての簡単な講義を行いました。
■その内容は次のようなものです。先ずはそもそもの前提ですが、社会的なテーマを扱った本というのは、何らかの社会的な出来事や事柄があったときに、それをめぐって産み出されたテキストであり、どんな本も、それに先行するたくさんのテキストたちが語っていないことを新たに語るということを目的に書かれます。ということは、本というのは、「これまでにその問題について語られてきたこと」と「誰も語ってこなかったここで初めて語られたこと」の二つの内容から構成されているのだということです。
■さて、ある分野について書かれた本を読むときに注意すべきなのは、その本やその本で著者が主張していることがどういう文脈において語られたメッセージなのか、ということで、それを知るためには、その本あるいはその著者だけでなく、同じテーマを扱った別の本や別の著者の本を読まなければなりません。とはいえ、ある本とテーマを共通にしている本、などというと、その数は無限に存在します。とても全て読むわけにはいきません。ではどうするか。実は、効率よくその分野の議論の全体像や論点、文脈を知る事ができる方法があります。
■効率よく文脈をつかむ方法。それは、各分野ごとに存在する(※ない場合もあります)論点整理本を探し出して、精読することです。この論点整理本は、学術的なテーマに沿うものであれば、教科書(大学生向けの教科書)というかたちで存在することも多く、親切なところではそのものずばり「●●について知るためのブックガイド」みたいなものも出版されています。特定テーマについていろんな人が小文を寄稿している論集も、その後に読むべき本や著者を探すためのガイドとして活用できます。
■上記のような論点整理本がない場合にはどうするか。論点整理や文脈整理をする以前に、まだそれらが十分には出揃っていないような分野やテーマの場合には、一気に議論全体を俯瞰する方法はありません。そのときは、ある1冊を読み、そこで引用されたり、参考文献表(巻末)に掲載されたりしているものを、芋づる式にたどっていき、読むべき本を探していくという方法をとるしかありません。が、こちらは意外なリンクが見つかることも多く、あなどれません。
■上記の二つの方法をうまく組み合わせながら、読むべき本を探していきましょう。その際、探した本の著者名、書名、出版社名、出版年などを明記した「参考文献リスト」を、それぞれが作成することをお勧めします。というような内容の講義を行った後、それでは実際に読む本を探してみましょうということで、嶋地区の某大型書店にて、「本の探しかた」フィールド実習を行いました。参加メンバーそれぞれの読むべき1冊目が確定したところで、いよいよ次週8/1(金)より「金曜ゼミ」が本格始動いたします。お楽しみに!