ぷらっとほーむの日記 ぷらほブログ

山形市・若者の居場所と学びの場づくりのNPO団体です

トークライブ&ラーニングバー2014


ワイ子です。今年で3年目の開催となりました、村山地域の若者交流会「第1回トーク・ライブ&ラーニング・バー」に参加してきました! 今回の会場も、お好み焼きのおいしいカフェ「ブラウニーズ・ストーリー」さん。ぷらほからは、愛ママ、ワイ子、かめんぬちゃん、O原くんが参加しましたよ(聞き手は滝口さん)。

今年度の交流会のテーマは「その後の【3.11】」。東日本大震災からもうすぐ3年。今もなお支援活動をつづけている方がたのお話を聴いていきます。ということで、第1回目のゲストは、「山形避難者母の会」代表の中村美紀さんでした。

福島県郡山市に住んでいた中村さんは、3年前の原発事故で山形市自主避難をしました。お子さんの体に出た諸症状、流れる情報への不安に、「外から福島はどう見えているのか?」と思い、「避難者向け借り上げ住宅制度」を始めていた山形へ避難したのが2011年8月。
中村さんは、パートナーが福島に残り、お子さんを連れて避難した「母子避難者」ですが、実に避難者の4〜5割がそれであるということ。中村さんは問題説明をする際に、「シングルマザーがそれくらいいる」と例えます。母子避難の母親への負担は個人で対応できるレベルを超えていました。夫がしてくれていたこともやらねばならない。預かり所は費用が高く、子どもを見てくれる人もいない。そんな状態の人間を雇用する会社もない。そして、「強制避難」と「自主避難」では補償内容も違う。「自己責任で来たのだから」とお母さんたちはひっそりと暮らしました。
そんな自主避難者同士が出会える場所が、当時、総合スポーツセンター内に設置された「避難者交流支援センター」でした。中村さんも含んだ当事者たちが、「困っていることを誰が翻訳してくれるのか」「自分の判断が正しいのかわからない」と悩みを抱えていましたが、南相馬の行政のかたの後押しもあり、福島県知事に要望書を出そうと、9月末ごろ「山形自主避難母の会」を発足。
その活動を続けるなかで、「お母さんが「預かって」と言える場所」「共通認識(特に放射能の話)のある人とつながれる場所」が必要と感じ、2012年5月、「村山地区ふくしま子ども未来広場」をオープンしたのでした。

「一時預かり事業」と「習いごと支援」の2つの事業をメインにし、初年度の利用人数は500人/月、現在は地元へ戻る人もいて400人/月となったそうですが、リピーターが多いとのこと。
運営で工夫していることは、「利用者をお客様にしないこと」、そして「スタッフを避難当事者にしたこと」。「ありがとう」と言い続けるのは、実は避難者にとっては辛い。ならばお金を払ってもらって、対価を渡そうという考えです。そして、スタッフさんに各市町村の人をそろえ、地元の話をできるようにしたのです。
さらに、「初めての人に、イベントのあと、いかに長居をして話してもらうか」を重要視しているそうです。なぜならば、そこにこそ「本音」が混じっているから。最初から話せる人はそんなにいません。しかし、イベントという改まった場から、知り合い同士の何気ない会話に緩まったときに「実はさ〜…」と本音が出てくる。そこへスタッフが「こうするといいよ!」と「こういうのあるよ!」と教える、という方法をしているのだとか。友達を友達として助けることで、結果的に支援になっているということです。これらは、スタッフさんそれぞれが、自分たちで実現していったものです。


現在の悩みは、いつかは戻らなくてはいけないこと。中村さんも今春に戻ることが決まっています。そうなると、今の「広場」の基盤をどう整えられるのか。スタッフが減ることも想定されます。また、戻ってから福島でも居場所を立ち上げる予定だそうですが、そちらの運営基盤もどうするのか。当事者であるのに支援をしてる人は、もう疲れています。支援者支援が必要になっています。
そして、「山形には相当お世話になった」と感謝を述べた上で、中村さんは伝えます。この3年間で、支援のノウハウが出来たと思う。ぜひそれを活かしてほしい、山形の子どもの未来のために、と。

最後に、中村さんから参加者へメッセージをもらいました。
「私は、「原発が福島にある」と意識しないで生きてきた、普通の人間でした。今、エネルギー問題について叫ばれ考えられているが、「事故が起きた」ことをもう一度ご理解いただきたい。そこで暮らしている人に、もう一回、目を向けてもらいたい。どうすれば私たちがまた幸せに暮らせるのか、一緒に考えてほしい。そのために、まずは多様性を認めあっていきましょう」
中村さん、貴重なお話ありがとうございました!!


そして第2部の交流会スタートです。美味しい食べ物をいただきながら、中村さんにさらにお話を聴いたり、参加者同士で第1部のトークの感想を交わしたり、お互いのことを話したりなどなど盛り上がりました。

最後に集合写真!

皆さまお疲れ様でした!

次回は2月14日(金)19時〜トークゲストに「ウェザーハート災害事務所」の千川原公彦さんをお迎えして開催されます。ぜひご参加ください!