ぷらっとほーむの日記 ぷらほブログ

山形市・若者の居場所と学びの場づくりのNPO団体です

ハンナ・アーレント事前学習会その5

映画の上映も始まり、「フォーラムに置いてあったチラシを見ました」という方も参加されての学習会最終回。5回目のテーマは、「私たちの中の「アイヒマン問題」 〜現代日本全体主義〜」。これまで学習してみての、あるいは映画を観てみての疑問等を参加者から挙げつつ、「ではこれからどのように考えていくか?」という話をしました。

アーレントユダヤ人多数派とのちがいは?」「全体主義=悪、なのか?」「中間集団全体主義(学校、企業)で「全体主義」を植え付けられない教育はあるのか」「”公共空間=どんな人でもテーブルにつく”ってどんなもの?」などなどが挙がりましたが、やはり今回は、アイヒマンアーレントが多数派から一斉に叩かれた構図を、現代日本に置きかえると具体的にどういうものがあるか、といったことが話されました。
最近で言えば前都知事の不正行為であったり、もう少し前でいうと、オウム信者の若者を撮り、「ただの若者だった」と言ったドキュメンタリー映画『A』などがそれにあたります。「「悪い事」をしたのだから叩いていい」「「悪い事」をした人間は、自分とはちがう「悪人」であるはずだ」といった論調がそこにはあります。(「炎上する」という言葉もそれ)
全体主義ファシズムに対抗するには、「自分の見方、見え方」をそれぞれが「私は〜」と言葉に出していくことである。けれど、出せば叩かれる世の中では「だから言わない」と口をつぐんでしまう人もきっと多い。
そういう「皆とちがう者は叩かれる空間」の「設計」をいかにゆるめるかが今後の課題であり、それと同時に、「私は〜」と「個」であり続けること、多様性・複数性を認め共通の関心事を共有し、公共空間を日常的に開くことが、今すぐにでもできることだよね、という話になりました。